亜塩素酸ナトリウムの人体への影響を論文で調べてみた
話題のオーラルケア商品「IKIREI(イキレイ)」の主要成分として使用されているのは「CLO2(二酸化塩素)」です。
CLO2は口臭の原因である「硫黄化合物」に対して抑制効果を発揮することが知られています。
このCLO2、実はIKIREI(イキレイ)には「亜塩素酸ナトリウム(NaCLO2)」として配合されています。両者はほぼ同じ性質を持っていて、作用や注意点などは同じです。
CLO2と亜塩素酸ナトリウムの人体への影響について
CLO2と亜塩素酸ナトリウム(NaCLO2)は一見違うもののように見えますが、IKIREI(イキレイ)では同一のものとして配合されています。
その理由は、基本的に両者は同じ特性を示すからであり、消毒・殺菌系の成分や利用する人が気を付けるべきことが同じだからです。2つの成分に関する具体的なデータを解説したいと思います。
作用機序の関係上ほぼ同じもの
亜塩素酸ナトリウムは、二酸化塩素に水酸化ナトリウムと過酸化水素を反応させると生成されます。白色結晶で水溶性が高いこと、刺激臭があることなどが特徴です。用途としては漂白剤や酸化剤として使われるのが一般的です。
一方二酸化塩素は塩素酸ナトリウムか亜塩素酸ナトリウムから生成されます。亜塩素酸ナトリウムと同じように刺激臭があり、光や熱に対しては不安定です。用途としては、殺菌や漂白・消臭目的で使われるのが一般的です。
両者は基本的に同じような用途に用いられるため、IKIREI(イキレイ)に関しては同一視して問題ありません。亜塩素酸ナトリウムは口の中に入ると、口腔内の液体中で分解します。
分解するとCLO2 が発生します。このCLO2 が「揮発性硫黄化合物」である「メチルマルカプタン」「硫黄化水素」「ジメチルサルファイド」を分解・除去することで、口臭予防効果が得られるという仕組みです。
つまり口の中に入った段階で、亜塩素酸ナトリウムとCLO2は混在するというわけです。両者を分けて考える必要はありません。
ガスを吸入しなければ大丈夫
亜塩素酸ナトリウムに関しては注意点があります。それは純粋な気体として吸入してはいけないという点です。ガスとして肺に吸入する場合と、固体・液体状のものとして経口摂取するのでは全く違います。
亜塩素酸ナトリウムは、CLO2 同様経口摂取においては安全性が確認されています。実際、亜塩素酸ナトリウムは食品添加物として指定されている成分です。
日本だけでなく米国でも食品への利用が許可されています。日本ではかんきつ類果皮や卵類、生食用野菜類などの食品に利用が認められていて、米国では畜肉製品や農産物への使用・水産物の洗浄や保存目的での使用が許可されています。
これらは経口摂取につながるものであり、吸入されることはないからです。
しかし気体として吸入するのはNGです。以下の文献では、CLO2の気体吸入の危険性が指摘されています。
In its pure form, chlorine dioxide is a hazardous gas(純粋な形では、二酸化塩素は危険なガスです)
参考:ChemicalSafetyFacts|Chlorine dioxide
とはいえ、日常生活において亜塩素酸ナトリウムを気体として吸入する場面はほぼないでしょう。実際、同文献では以下のようにも指摘しています。
most people are “not likely” to breathe air containing dangerous levels of chlorine dioxide as it rapidly breaks down in air to chlorine gas and oxygen.
ですから、アロマディフューザーのように液体成分を気体化させるようなグッズを使わない限り、不安になる必要はありません。
IKIREI(イキレイ)はジェルタイプのオーラルケア商品なので、吸入する恐れはありません。仮にふたを開けておいても、揮発して吸入してしまうことはほぼありません。
低濃度であれば大丈夫
経口摂取の場合は安全と説明しましたが、それでも口に入れることに不安を感じる方もいらっしゃると思います。しかし濃度に気を付ければ問題ありません。濃度に関しては以下のような文献があります。
A ClO2 concentration of up to 40 ppm in drinking water did not show any toxicity in a subchronic oral toxicity test. Herein, UC-1 showed favorable disinfection activity and a higher safety profile tendency than in previous reports.
参考:NCBI|Efficacy and Safety Evaluation of a Chlorine Dioxide Solution
40ppmまでの濃度なら問題ないということですが、大まかな計算では、IKIREI(イキレイ)(40g)に対して4gほど亜塩素酸ナトリウムが含有されていても特に問題はないということになります。
IKIREI(イキレイ)に亜塩素酸ナトリウムの含有量は示されてはいませんが、厚生労働省の許認可を受けて販売されている商品なので、当然濃度に関しては計算されているはずです。
動物実験ではリスクは低いとの結果が出ている
亜塩素酸ナトリウム、ないしは二酸化塩素に関しては動物実験でも安全性が実証されています。
代表的なデータをご紹介しましょう。
ウサギの実験|目に入れても刺激性は低い
まずウサギを使った実験に関する以下の文献があります。
The cornea, iris, and conjunctivae were evaluated in a rabbit ocular irritation test. The 50 ppm UC-1 solution induced neither significant clinical signs nor ocular gross changes in the rabbits at each time point. Therefore, single ocular applications with 0.1 mL of 50 ppm UC-1 did not cause ocular irritation in rabbits.
参考:NCBI|Efficacy and Safety Evaluation of a Chlorine Dioxide Solution
この実験ではウサギの眼に対する大きな刺激は確認されませんでした。全く刺激がないとは言い切れないとはいえ、基本的に刺激性は高くありません。
IKIREI(イキレイ)を触った指や手で目をこすらないようにする、といった基本的な対策を講じていれば問題ないはずです。仮に目に入ってしまって少し刺激を感じたとしても、しっかり洗い流せば大丈夫です。失明の危険性はありません。
経口摂取は少量なら影響はほぼない
ここまで見てきたデータから、気体状態で吸入しないようにすれば、亜塩素酸ナトリウムは危険な物質ではないということが分かります。
IKIREI(イキレイ)は危険な気体上の物質ではなく、ジェルに配合されています。しかも飲み込むわけでもないので、安心して利用し続けることができます。
とはいえ、1度に大量に飲み込んでしまうなどの極端な使い方をするのは良くありません。
また乳幼児や高齢者など、体が未発達ないしは衰弱している場合は、成人が使用するよりも多少少なめの量を使用するなど工夫するのは良いことです。
子どもの手に届かないところに商品を保管しておくようにもしてください。
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出典
IKIREI(イキレイ)|特定商取引法に基づく表記
Wikipedia:二酸化塩素|公的機関による調査・措置命令
WHO:Concise International Chemical Assessment Document 37 CHLORINE DIOXIDE
添加物 亜塩素酸ナトリウムの使用基準改正に係る食品健康影響評価に関する審議結果
国民生活センター|二酸化塩素による除菌をうたった商品
日本口腔インプラント学会|Porphyromonas gingivalisに対する二酸化塩素(CLO2)ガスの有効性
ChemicalSafetyFacts|Chlorine dioxide
NCBI|Efficacy and Safety Evaluation of a Chlorine Dioxide Solution