口臭の根本的な原因はなにか?【病気の予兆の可能性も】
口臭の原因には様々なものがあります。口臭と聞くと「にんにくやニラなどを食べた後に発生するもの」くらいのイメージしかないかもしれませんが、実は原因になる要素にはいろいろなものがあります。
口臭は誰にでも発生しえるもので、しかも口臭が発生しやすいタイミングというものがあります。さらに病気が関係していることもあるため、日ごろから適切なオーラルケアや健康診断が必要です。
口がくさいのはなぜ?|口臭の原因
どんなに外見がよくて性格がよくても、口臭一つでその人のイメージが台無しになってしまうことがあります。
口臭があると、男性でも女性でも魅力が失われてしまいます。また恋愛だけでなく、職場のマナーやエチケットの観点からもマイナスポイントです。
そのため様々なオーラルケア商品で口臭対策をしている方は多いでしょう。しかし「いろいろ試したけどどれも効果がない」と感じている方も少なくないはずです。
正しい口臭対策を行うには、まず口臭の原因やメカニズムを理解することが大切です。では、口臭の種類や原因物質などを詳しく見ていきましょう。
主な口臭は3種類
一口に口臭と言っても、実は異なるタイプがあるということをご存じでしょうか?口臭の主な種類としては、以下の3タイプがあります。
- 起床時口臭
- 飢餓口臭
- 緊張時口臭
起床時口臭とは、起床直後に臭う口臭です。起きてすぐに家族と話したとき、「口臭がひどい!」と言われたことはありませんか?
飢餓口臭とは、お腹が空いている時に臭う口臭です。
また緊張時口臭とは、読んでそのまま緊張している時に臭う口臭です。
これらの口臭は基本的に誰にでも起こりえるものです。程度の差こそあれ、これら3つのタイミングで口臭が発生する可能性は高いです。
では何故起床時や空腹時・緊張時に口臭が出やすいかというと、実はこれらのタイミングにはある共通点があるからです。それは「唾液の分泌が減少している」ということです。
リラックスしている時、例えばうたたねをしてる時はよだれが垂れてしまうことがありますが、逆に緊張している時は喉がカラカラとするものです。
また寝ている時は唾液の分泌が抑制されるので口腔内が乾燥します。さらに空腹時は食事の時のように顎を動かさないので、やはり唾液量は減ります。
では唾液量の減少と口臭とに間にどんなつながりがあるかですが、実は唾液というのは口腔内の雑菌を殺菌する作用があります。しかし分泌が減って殺菌が不十分だと、口臭を発生させる成分が抑制できず口臭になります。
これらの口臭は「生理的口臭」と呼ばれますが、オーラルケアをしたり水分をよく補給するなどして対策が可能です。
揮発性硫黄化合物「VSC」が正体
上記の通り、口臭を発生する成分を抑制できないと口臭が発生しますが、その成分とは「揮発性硫黄化合物(VSC)」のことです。VSCは以下のようなガスから成っています。
- 硫化水素
- 卵が腐ったような臭い
- メチルメルカプタン
- 魚や野菜が腐敗したような臭い
- ジメチルサルファイド
- 生ごみの不快な臭い
これら3つの不快臭が混ざり合って口臭となります。口の中には嫌気性菌というバクテリアが存在しますが、これらのバクテリアが口腔内のタンパク質成分を分解することで、VSCが発生します。
唾液には洗浄作用や抗菌作用がありますが、分泌が少なくなると、こういったバクテリアが活性しやすくなります。
にんにくやニラを食べて臭いのも同じ理由
口臭と言えば、にんにくやニラを食べたときにも口臭は発生するものです。これらの食べ物による口臭発生の原因は主に2パターンあります。
まずは食べかすが残ることで、バクテリアの繁殖が促されてしまうことです。これは上記のようにVSCが発生するのと同じ理由です。
またにんにくやニラには「アリシン」という物質がありますが、この物質が体内に吸収されて血液に取り込まれると、やがて肺を通じて口臭として排出されます。
いずれにしても、口腔内の状態が不健全だと口臭が発生するということです。
このような食べ物による口臭は一時的なものなので、基本的に治療の必要性はありません。
病的口臭の場合も考慮して
口臭の原因は、ここまで紹介したもの以外にもあります。ストレスによる唾液分泌減少が原因のものや、生理や妊娠時などホルモンバランスの変化が原因のもの、加齢臭、民族的なものなどです。
しかし治療が必要なものもあります。それが病的な口臭です。病的口臭の例をいくつか見てみましょう。
歯周病や虫歯の可能性
歯周病は歯を支えている「歯槽骨」が溶けてなくなった状態ですが、この状態だと歯ぐきががブヨブヨしたり歯がグラグラしてきます。
歯や歯ぐきの間には多くのバクテリアが存在するので、治療を受けないとVSCの発生はもちろん、歯を失う危険もあります。
虫歯になると、虫歯菌や食べかすが穴の中にたまって口臭がきつくなります。神経まで到達されるとかなり臭いが強くなるため、虫歯は小さいうちに処置するのが賢明です。
歯垢・歯石・舌苔の可能性
歯垢は「プラーク」とも呼ばれ、歯の表面に堆積した汚れです。そのうちの多くはバクテリアです。歯垢をそのままにしておくと、やがて歯石となりますが、これが虫歯や歯周病を招く原因にもなります。
歯石は先述の通り歯垢が固まってできたものです。石灰分で、歯石が多ければ多いほど口臭もひどくなります。
舌苔というのは、舌の表面にできる白い苔のようなものです。鏡を見て舌を出すと白っぽいものが付着していることがありますが、これは基本的に歯垢と同じようなものから成っています。
つまりバクテリアのかたまりです。絶対は口臭の大きな原因なので、歯だけではなく舌をきれいにする必要もあります。
口腔がん・消化器系の病気
口腔がんも病的口臭を起こします。口腔がんとは口の中のがん全般を指します。舌がんや頬粘膜がんなどがありますが、これらのがんを患っているとやはり口臭の原因となります。
さらに呼吸器系や消化器系の病気になると口臭が発生することがあります。もし口の中に異常を感じたとか、きちんとオーラルケアをしているのに口臭レベルが強いといった場合は、早めに歯科医師や適切な医療機関を受診することをおすすめします。